2015年10月30日金曜日

日本の音大に行くべきではない理由   (その5)

5.日本の音大に行くと、一生心の傷を追うかもしれない。
武蔵野音楽大学の新入生歓迎コンパについては過去のブログに書いた通りだが、その後何十年経っても同じような話が絶えない。日本の私立音大を卒業してからウィーン国立音大に留学したSさん(女性)は私より25歳ほど年下だが新歓コンパで飲酒を強制され、救急車で病院に搬送された。その後、その音大では飲酒の強制は禁止されたそうだが一体それまでにどれだけ多くの人が不安な気持ちで新歓コンパを迎え、様々なハラスメントを受け、病院に搬送されたり心の傷を負ったりしたのだろう?
Mさんはフルートを専攻していたが第1希望の東京藝術大学が不合格となり、1浪して私立の音大に入った。私はMさんが浪人中に知り合ったのだが、まだ音大に入る前なのに大変素晴らしい腕前で、私は日本の音大に行かないで留学することを薦めた。しかし、Mさんは翌年入学した私立の音大で心に傷を負って1年ほどで入退院を繰り返すようになった。病名は統合失調症で、過度のストレスによるものと診断された。
日本の音大に行った結果PTSDとなり、その後鬱や統合失調症の診断を受ける人は少なくない。音大の管打楽器科はもともとブラスバンドに横行している体育会系のノリをそのまま持ち込んだこともあるのだろうが、私は敗戦後軍楽隊の出身者(多くは兵卒で士官はいない)が大量に音大の教官となったことからこのようなしきたりが軍隊の内務班から持ち込まれたと確信している。
こういうシゴキで精神が鍛えられるから良いだろう、と考える人もいるようだがとんでもない。本来音楽を目指す人間の神経は繊細であり、心に傷を負ってその後の生活に支障をきたす人が多いのは無理もない。私も30代になるまで武蔵野音楽大学時代の悪夢に悩まされ続けた。新歓コンパも、キンカンも知らずに多くの夢を持って入学した武蔵野音楽大学だったが、期待はことごとく裏切られ2年間で得たものは心の傷とケロイドと育英会の借金の他何もなかった。武蔵野音楽大学時代、私は友達が一人もいなかった。


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